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演劇三昧~今までみた演劇の記録&リンク集~


2011年に観た芝居買ったチケット


2009年に観た芝居買ったチケット


2010年に観た芝居買ったチケット


1月9日(土) シアターコクーン
東京月光魔曲(ケラリーノ・サンドロビッチ)
Bunkamura20周年記念企画
ひょっとしたら今年の最高傑作はこれか?という予感。


1月23日(土) 青山円形劇場
スーパースター(劇団鹿殺し)
劇団鹿殺10周年記念公演第一弾
チョビの回アフタートーク付き
ひょっとしたら今年のBest2はこれか?という予感。


2月2日(火) 赤坂ACTシアター
TALK LIKE SINGING(三谷幸喜)
http://www.tls2010.jp/
この劇場はどうかと思う。あまりの高さに断念。開演前に劇場を出た。こんなことは都響の文化会館で起きた発作以来・・・


2月4日(木) 中野ZEROホール
四神記(京都創生座)
http://www.soseiza.com/blog/?p=120
試みはおもしろいけど、そもそも日本の伝統芸能の違いがわからない私にはどのようなすごさかとかそういうことが分からない。
もうすこし、日本の伝統芸能を学んでから行くべきだったと反省。関西では満員となるようなんですが、東京でやるとどうしても知名度とか、地の利とかいろいろあってあのような集客となるんだと感じた。懲りずに続けて啓蒙していただきたい。


2月14日(日) 本多劇場
アンチクロックワイズ ワンダーランド(阿佐ヶ谷スパイダース)
http://asagayaspiders.net/modules/tinyd0/index.php?id=5
http://www.spiders.jp/
ロンドン帰り第1作目。舞台が終わって客席後部から長塚圭史が登場。
小島聖が客席最後部から見ても「栄えた」。芝居はもう少しわかりやすくして欲しい(いや、わかりにくいとかではないんだけど、ややこしい)。桜飛沫失われた時間を求めても見たけど、やっぱりそっちの方がおもしろかった。
桜飛沫は普通の時代劇
失われた時間を求めては普通の状況劇
そういう意味では違うレベルに行っているんだと思うし、個々の役者の力量もそれなりに発揮している。
舞台装置もとても綺麗だった。舞台処理も上手だった。
けど、終わって満足感がなかった・・・。
非日常に浸りたい凡人の私たちが求める「舞台芸術への開放の欲求」を満たして欲しい。という注文をつけたい気分だった。
もっとも、チケットの値段からそんなこと言えた義理ではないこともあり、やっぱり舞台は難しいと感じた。


3月6日(土) シアターサンモール
WHAT A WONDERFUL LIFE! Ver.2010(東京セレソンデラックス)
東京セレソンDX10周年記念イヤースペシャル第1弾
http://www.ts-dx.com/next/wonder2010/
東京セレソンDXは10年も続いているってことで、10年続けばすごいわけである。宗教団体なら宗教法人として認めらもらえるだけの年数だってことをきいたことがある。もっとも、Webみるかぎりでは団員はずいぶん入れ替わったようである。ここ3年新作をやっていないってのも劇団としては成り立っていないってことなんだと思う。
でも、やっぱり「泣ける」。今回も声出して泣きそうだった。大人は声出してなかないものである。だから我慢した。
オムニバスってことだったんでオムニバスだと思っていたら、話はつながっていた。全6話、すべてがいろいろ入り交じっていた。
フ、と、自分の人生どうだったんだろうと振り返ってしまい、かなり切なくなってしまった。
2010年からセレソンメンバーになった「伊藤高史」が参加している。多分、初演ではこの役を宅間孝行がやっていたんだろうけど、確かにコピープログラムに書いてある通り、その時代の適任の役者がやるべきだ。そう思った。また10年後にやって欲しい。見てみたい。そんな作品。
始まりと終わりの一体感・・・いいなぁ。
中学校の頃だかに、CMで流れたTake5に感動して吹奏楽ちょっとかじったことを思い出した。
思えば、私の人生も、
・学生時代には写真を撮ることで生活費なんとかしていて
・会社入って4年ばかり普通のサラリーマン生活(1年半は電話局、2年半は開発部でSE生活)
・何を間違えたかサラリーマンだけど文化事業に関わって7年半
・研究所に転がりこんで3年間
・出版社にひょっこりと雑誌編集長1年半、1年半は閑職で好きなことやらせてもらっていた
・あっと思ったらIT事業者にいて、やった仕事はリストラ仕事くらいか、あげくに自分もリストラして
・金融事業の片隅にいてはや5年目、
人生ってのはドラマチックじゃないけれど、振り返って「にやり」とできる。そんな人生を全うしたいと強く思った初春の夜だった。


3月7日(日) 東京芸術劇場
農業少女(野田秀樹)
野田秀樹芸術監督就任記念プログラム
http://www.geigeki.jp/saiji_066.html
多部未華子が主演?!
ってことでついつい買ってしまった。基本的に野田秀樹作の演劇には行くことがないと思っていた(今でも思っているようだ)。好きとか嫌いとかそういうのではなく、なんとなく、それを見たらおしまいなんではないか?という恐怖心からである。
で、
多部未華子の体の柔らかさに感動したことと、
やっぱり、山崎一、吹越満、いい役者なんだなと感心した。
山崎一は東京月光魔曲でもいい感じだった。


4月2日(金) ACTシアター
薔薇とサムライ(劇団新感線)
http://www.bara-samu.com/
30周年の迫力満点。宝塚+歌舞伎+ロック=新感線って感じだった。足して3で割るってことなしの密度感。
ともあれ、相変わらずACTシアターの2階席はひどいもので、舞台の見切れはあるし、高所恐怖症の私には拷問そのものだった。
カキワリをなんとLEDスクリーン?のようなもので、ダイナミックに変えていく様に歴史的転換点を感じた。1995年にジョージコーツパフォーミングアーツの「マルチメディアオペラ」という興業があったが、まさにそれがこなれてきたというか・・・。舞台装置が最小限の芝居、抽象度の高い大道具による芝居、歌舞伎チックなカキワリの芝居、こてこての舞台装置を使う芝居、それらをいい意味でぶちこわすものをこの場で見せてもらった。
ちなみに、天海祐希はカッコイイ。さすが。


4月4日(日) スズナリ
贖罪の罪(PPPP)
http://www.penguinppp.com/next/15/
PPPPは楽日だけ団員紹介と倉持裕の挨拶があるのかどうかわからないんだけど、今回の主役、小林高鹿が団員紹介をしてぼくもとさきこが小林高鹿を紹介、倉持裕も登場、10年のお礼を述べて、次回公演の予告、プログラムの案内、ちらっと改名した話を紹介しそうでしないまま、舞台挨拶が終わった。拍手がやまず、再度挨拶となって無事楽日は終わった。
PPPP節ここにありって感じで、登場人物ほぼすべてが「常軌を逸した」感じに心地よさを感じた。
説明つかない出来事はこの世にたくさんあるし、
見えないものを見えるという人にも辟易する。
意味のない出来事を「陰謀説」に転化する人もこの世にはたくさんいるし、
思いがけない過去を暴露してそれが果たして真実かどうかわからない。そんなことで誤った印象を持たれることもよくあること。
それ以上に、自分のやっていることを他人にはどう見られているのかは自分にはわからないことはたくさんある。
なんか、今回の芝居には本当に身につまされるというか・・・。
流石である。
初めてのスズナリにも大満足。


4月24日(土) 本多劇場
LEFT STUFF(PIPER)

会場といったいとなった芝居ってのは初めての経験だ。
もちろん、内容に大きな影響を与えることがない配慮もなされているし、
インタラクティブという概念は「ジャン・ルイ・ボワシエ」が言うとおり、分岐、ループ・・・いくつかのきっかけを与えるだけでありそれほど∞の可能性を与えているわけではないので、そんな仕組みを知っている人ならば、後藤ひろひとの罠に心地よくはまることができるのであろう。
相武紗季の好演にうれしくなった。相変わらず山内圭哉の終演後の不機嫌なふるまいがなんとも・・・。


5月9日(日) アゴラ劇場
革命日記(青年団)
平田オリザという名前は確かにずいぶん前から知っていたが、その人がプロデュースの劇場があるってのは知らなかった。2009年11月25日(水) にしすがも創造舎「デッド・キャット・バウンス」に出演していた役者さん「近藤強さん」がこの劇団に参加していて今回登場するっていうご案内をいただいたので、折角の機会だから見に行った。
これだけ「組織」と「政治」の関係性を前面に出すっていう芝居は実は初めて。もともと、芝居ってのは労働価値=収入という本当にマルクス主義的な唯一の産業だと密かに思っていたので、違和感はまったくなかった。
で、当然のことながら芝居は「抽象度」の高い芝居ってのもあるんだろうけど(かぶり物劇団であれば、擬人化ということでいろいろな制約を超えられるが)、実際には「個人、個人と個人の間の問題」を扱うものなんだと思っていた。
で、こういう描き方で組織の問題とか、政治の問題とかをテーマにすることができるんだという発見が私の中にあった。
小劇場ってこういうものなんだなということも教えてもらった気がする。


5月12日(木) ザ・スズナリ
パワー・オブ・ザ・イエス
先の「革命日記」「デッド・キャット・バウンス」と関連した感想となる。
この芝居はこりっち舞台芸術の手塚さんにご紹介いただいた。流石、長年演劇業界に関わっているかただけあって、舞台もの「見る目」ってのは流石。もともと翻訳劇ってのはその本国での評判とか、それを翻訳する人、上演する劇団の力、いろいろな要素が多すぎて、多分、オリジナル演繹とは異なる評価軸があるのではないか?などと思いながら滅多にない平日観劇とあいなった。
実は、リーマンショックの英国金融危機の問題を舞台で演じる・・・。これがどういうことなのか今ひとつ理解をできずにいた。この舞台で「演劇で表現できないものはない」ということを知った。もちろん、万人が理解するか、万人が感動するかは別である。英国では爆笑の渦が幾多にあったものが、「わからない」ということもあるが、実は観客が努力すること、アフタートークの助けなどでその不足した理解は埋めることができるようである。
今回も実は木曜日と思ったのが、アフタートークを選んだためだった。シェークスピアで有名な小田島先生の息子さんが実はこの世界の人で、翻訳などを手がけているとのことだった。その方の「英国観」なるものの補足が舞台の理解をかなり助けてくれた。アフタートークは舞台の感動を「台無し」にする危険もあるが、舞台の「すき間」を埋めてくれる可能性もあるワケだ。
人間には「リズム」ってのがあって、それにのらないと「理解」ができないというようなことを言っていた。「難しいからゆっくり喋りますね」ということに対しての台詞だった。
5月5日にポゴレリッチのピアノリサイタルに行ったときにまさにこの問題に直面した。遅い演奏は「いい」という時代のながれというか、うねり、というものがあって、古くは「ベーム」「チェリビダッケ」最近では「大植」なんかなんだけど、実はきらいではない演奏だったりする。が、ポゴレリッチのピアノは「遅い」というものとはレベルが違った。テンポは倍の遅さなのである。すぐに何を聴いているのかわからなくなってしまった。リズムというものを「越えた」理解をできる人と、「リズム」で理解する人というような種類があるようだ。


5月15日(土) ゆうぽうとホール
『〜トーク祭り〜  シティボーイズのFilm noir』
上映作品:
『俺の切腹』監督:沖田修一
『マジメくん』改め「遠き少年の日々」監督:福田雄一
『ドキュメント中村有志』監督:きたろう
『ダーク オン ダーク』監督:大竹まこと 出演:大竹まこと きたろう 斉木しげる
4作品と3人+夙川アトム・中村有志による軽いトークがあっての2時間少々。
俺の切腹は言いたいことはたくさんあるけど、上演後に3人にこてんぱんに言われてしまったから、夙川アトムが主役なのでそれで全てを許すって感じ。
「遠き少年の日々」ニッポン零年を思い起こさせる作りだ。やっぱりすごいところは全ての流れを一瞬で破壊する斉木しげるのオーラなのか、佐藤仁美のびんたか・・・。シティボーイズライブの「だめな人」全開な感じだ。
「ドキュメント中村有志」時間いっぱいだったんだろう。this is itを意識したというコメントがあったが、一番気になったのは山本屋総本家のうどんのシーンだろうか・・・。東京に支店があるんだ。生のナレーションは、なるほどこういう感じになるんだ。フジテレビのノンフィックスって感じで、
そして、ash&dという事務所の名前がつくくらいだから、そりゃぁ力入るでしょうと期待とハードルがどんどん高まる大竹まこと作品。乱暴に言うと「カウリスマキ映画」と「ベニスに死す」と「ケンラッセル映画」を足して4で割った感じだろうか。もちろん、いい意味で。あれ?灰とダイヤモンドはなかったような・・・。
とか一つ一つのコメントするような野暮は許されない。全体を通して「映画好き」ってのと「ダメなのは最高」感が蔓延していてとてもうれしい気分になる。
そうそう、film noir格好いい語幹があるけど、全然film noirじゃないと思うんだけど、語幹だけで、内容は違う。


5月23日(土) 青山円形劇場
第15回公演「甘え」(劇団、本谷有希子)

まさか、こんなストーリーだとは想像していなかった。
なんせポスターと内容は全然違う。
流石、本谷有希子。


6月5日(土) 赤坂BRITZ
「アウェーインザライフ」(プロペラ犬)

赤坂というと、REDシアター、ACTシアターは知っているけど、BLITZというのは縁がない世界だった。この箱に座席があるというのも初めて知った(ライブではスタンディングになるんだろうと思うけど)。
座席はF列で・・・これはC席から始まっていると思い込んで・・・案の定3列目だった。
ストーリーそのものはまっとうな演出なら普通の芝居として成立するだろうに、それが何がどうなってこうなったのか。いのうえ歌舞伎の秘密みたいなそんなことをひもとくいい機会となってしまった。
ロックってのはほとんど興味ない音楽なんだけど、こうやって見るとなかなかいい感じ。
水野美紀の体当たり演技に感心を通り越した、愛情というか、なんというか、愛おしさというようなものを感じてしまう。
客演の人々(ここは「劇団、本谷有希子」と違い、役者が1名いる)と看板女優との相性とか、呼吸、舞台練習・・・、そうそう、この劇団は「演出」も客演なのであった。
あれこれ思いは募るけど、
劇団新感線の「髑髏城の七人」に出演経験のある水野美紀にとっては「ロック」も「演劇」もお手の物だろうというのはそうもいかない事情もあるわけで、そんな不足しているところはいろいろな方法で補うこともできるのが今のテクノロジーのすごいところ。
ソニンは流石、ほれぼれする。
圧巻は、
携帯の写真流出
というのは私だけではあるまい。
ファンキー末吉
がバンドマスターだったみたいで、ファンキー末吉という人は、以前テレビで見て感動したんだけど、北朝鮮・中国・・・そういう自由の無い国に「自由を伝える」ために「ロックを伝える」ということをやっているみたいで、それを見て初めて「ロックっていいなぁ」と思ったのは10年くらい前の話だろうか・・・。
今日もよかった。流石。という感じである。
ちなみに、演出は河原雅彦で
例によって河原雅彦って感じの演出なんだろうなと思った。
河原雅彦演出=キラキラミラーボールという印象が妻はあるみたいで、今回もキラキラ(ミラボールはないけど)。そんな感じが強く河原雅彦って感じがした。倉持裕じゃこうはならんだろう(当たり前だけど)と思った。

木野花
って60歳だってのに衝撃を受けた。

ゲスト
みのすけ
歌うまいなぁ。ナイロンと全然違う演技で(演技じゃないなぁあれは)ちょっと感心した。有頂天メンバーじゃないんだろうけど、音楽やっていたんだろうなと感じた。


6月19日(土) 池袋芸術劇場小ホール

「電車は血で走る(再演)」 (劇団鹿殺し)

再演なんで、同じ感じなのかな・・・などと思っていたら大違い。
舞台は円形劇場

ずいぶんと構成・設定は整理されて良い感じになっていた。
なんせ、登場人物の必然性がぐっと高まって良い感じである。
河野まさとが、前回多分、今奈良孝行がやっていた秋桜ジュラ役をやっていたが、いい感じだった。流石。でも、最後肝心のところで台詞かみかみでなんのこっちゃわけがわからなくなってしまった。とても残念。

この日のこの時間は、ワールドカップ「日本×オランダ」があったにもかかわらず、客席は満席、アフタートークイベントもいい感じだった。
アフタートークで、仕込みなのか?赤とうがらし帝国以来見ているという関東出身の関西在住の人の質問が秀逸だった・・・。
Q「なぜ関西に住んでいないとわかりにくい構成なんですか?」
A「自分のことを書くしかないと思ったからしばらくは・・・」
Q「なのになんで東京に来たんですか?」
A「矢沢永吉的な・・・20万円貯めて7人で状況しました」

丸尾丸一郎
丸尾・丸一郎に改名したとのこと。以前は丸尾丸・一郎だったそうな。

これもアフタートークイベントねた。
この芝居、丸尾丸一郎が、今の自分のやっていることを小学校2年生の自分がみたらどんなだろう・・・というのから始まったと吐露されたこと。書いていた頃(実際には合宿生活が終わるころのことだと思う)団員が辞めるたびに、丸尾丸一郎は「絶対やめたやつより幸せになってやる」という吐露があったことを菜月チョビがばらしていたことがなるほど・・・と思った。

モトネタがあるのはわかっていたけど、
工務店の宝塚奇人歌劇団=大阪時代の鹿殺し、鉄男=丸尾丸一郎の子供のころ・・・。なるほど。そうみると全部あれこれ納得してしまう。実は、宝塚奇人歌劇団は劇団新感線に見えていた私がいたんだけど、前回4席となりに古田新太がいたことがそう思った理由かもしれなくて、でも、今回のも、新感線をおちょくっているように見えた。稚拙な劇団って意味だったわけで。


6月27日(日) 池袋芸術劇場中ホール
野田地図「ザ・キャラクター」
初めての野田地図

野田秀樹なる方が演劇をどのように変えようと、また、その芝居がどれほど賞賛を受けようとも不思議なことに今まで野田秀樹なる方の芝居は縁がなかった。
「野田版鼠男」「農業少女」どちらも再演ではあるけど結構堪能して、その癖のある芝居作りについてなんとなくわかりかけていたようだった。
そんなところに、
古田新太、宮沢りえ
と出てしまうとこれは買うしかない。
ってことで勢いあまって4枚買ってしまった。
2枚は無事?お譲りするべき方にお譲りするようになって、
今日、晴れて「ザ・キャラクター」を観劇した。

・お恥ずかしながら終演まで宮沢りえがわからなかった。
 (私の知る宮沢りえとは姿・声が違いすぎた)
・野田秀樹が舞台挨拶までわかっていなかった。
 (そりゃ舞台で見たのは初めてなんで)
・銀粉蝶が怪我のため休演とのこと

ということはありながら、
この芝居が8/8までロングラン公演というのはちょっとした驚き。
東京芸術劇場中ホールは初めて(小は、農業少女・電車は血で走ると2回。大も1回だけ、あまり池袋に縁がないようだ)

結論的には、
私には野田秀樹の芝居は合わないのかもしれないという感じはした。
喋り倒すのはいいんだけど「滑舌」「声量」には気をつかってもらいたいし・・・・みたいなことを言うのは馬鹿らしい。
たまたまなんだろうけど、「農業少女」も今回のも「オウム」事件がその原点にあることは誰もが気づくことかとは思う。芝居の作りなんとなく、その事件が「美化」されてしまっている嫌悪感を抱くのは私だけなんだろうか?

農業少女でも感じたんだけど、舞台の小道具を「投げ捨てる」ようなその仕草になんか舞台の勢いを感じてとても好感が持てる(芝居でエコとかモノを大事にねみたいなヤボなことは言うべきではない。舞台はハレの場なのでそのような振る舞いを認めるのは当然・・・)。

映画「風と共に去りぬ」で気がついたモノガタリの特徴に「大事なことは2回ある。しかも2回目は1回目より大きな事件となる」というものがあった。今回の芝居でも見事にその「2回」のルールは適用され、2回目にはモノガタリが大きく動いている(当たり前ですが)。その様にはやっぱり感心した。そんな上手い芝居ってのはやっぱり初めてかもしれない。

なんといっても、舞台の作りがとても上手いこと。あの舞台作りはすごい。と感心した。そして、役者全員がいい。藤井隆、橋爪功、田中哲司、池内博之もなんかいい感じで舞台を盛り上げていた。
なんとなく、古田新太が窮屈そうに演じているように思ったのは私だけなのか、いや、宮沢りえが宮沢りえに見えなかったのは、私が目が悪くなったからなのか、声枯れなのか。
会期中に当日券でもう1回見てみたいような・・・。いや、見ないかなぁ。

7月4日(日) 本多劇場
「2番目或いは3番目」(ナイロン100℃)

タイトルがなかなか深い意味を持っていることはわかって、その理由を読み解くにはしばらくの時間がかかると思う。人間は色々な妄想を抱く生き物で、いや、そもそも生物とはそのように妄想を抱いていきているものかもしれない。
そんな、私が生まれてこのかた抱いた妄想の数々には「人類の終末」「住むところを追放される」などがある。誰もが一度や二度考えた不安であるとは思う。
そんな不安を解消する方法として、そう、世界も同じことをやっている。内政に不安があったら「外交」にというようなこととか、士農工商えた・ひにんみたいなことも実は似た仕組みだと感じる。
ともあれ、芝居にはやっぱり「道化」という役回りは必須なようで、大倉孝二はこの劇団には必須な存在なようだ。もし、彼がいなかったらこの芝居がいかに悲劇になってしまったのか・・・。もっとも、彼がいなければ三宅弘城が演じるだけなのか・・・。人間がなぜボケなる終末を迎えるのかはなんともなっとくのいくものをこの芝居で感じてしまった。
プログラムによると2週間前で第2幕が半分くらいしか出来ていなかったようで。
ケラリーノ・サンドロビッチの奥さんの狂気ぶりになんとも感動しつつ、見事な舞台構成にやっぱりしんみりなってしまった。
もっとも、野田地図とは違ってこちらはなんだろう、生きる元気をもらっていると思ってしまうのだけど。

7月10日(土) 中野MOMO
南島妄想見聞録Vol.22
― 鳩に豆鉄砲を食らった島! 沖縄は唯我独尊わが道をいこう!― (藤木勇人)

http://www.fujkihayato.jp/
今年も中野MOMOにて開催。
演劇なるものを見るようになったのは本当にここ5年ほど。22歳の頃から「シティボーイズ」は行くけど・・・みたいな感じだったのが、いつのまにか年間30回とか見るような酔狂な状態にあんっている。
そんな中でこの人のライブも欠かせない。

久々に見応えのある舞台だった。
本人曰く、やっと形になった。というようなことを言っていたけど、確かに「いい」感じだった。

とても残念なのは、いままでは大体楽日に行っていたからなのか、今日は客の入りは7割って感じだった・・・。

第一部で、フリートークから漫談にと推移。ともあれ、漫談のハズがなんか「落語」なところが不思議だった。昔に比べると滑舌も良く(笑)。話の進め方もずいぶん江戸落語チックだな。と感じて、見事な二段オチがあったのがうれしかった。

第二部で、船の上の話・・・。一人コントという様相だけど流石。オチも決まったところで休憩に。

第三部・・・
今までは、講談というか、関西落語というか、センスをバンバンたたく机が前にあったんだけど、今日は「江戸落語」チックな装いだった。
構成にも落語ネタがちりばめられていて・・・でもそれはオキナワネタに弱い私にとっては「理解が早い」というプラスの効果もある。
今のこの世知辛い世の中にはなんともいい話。
去年NHKでやっていた「知る楽」で登場した小那覇舞天の話がベースにあるようだけど。いや、これはなかなか・・・。

終了して、今回の「江戸落語」ちっくになっている理由が判明。
立川志の輔師匠の弟子を名乗るようになったそうな・・・。(立川流ではないとのこと)。
随所に江戸古典落語のネタがちりばめられていることが納得。
これはこれで琉球落語のわからないことを知るためには私にとって「+」な話である。

7月17日(土) 新宿花園神社境内特設ステージ
椿版天保十二年のシェイクスピア(椿組)

今年は随分と井上ひさし原作の演劇が多い気がするけど、今までは全然意識していなかったらなのかもしれない。花園神社というと酉の市の「見世物小屋」とか唐十郎がやっていたという「紅テント」とか思い浮かぶ。酉の市の見世物小屋は一昨年から見に行っている。
椿組なる劇団もしらなければ、出演する役者も一人しか知っている名前がなかった。そんななかでやっぱり行ってみようと思ったのは花園神社で行われる芝居だったからなのか、井上ひさし作だからなのか、シェイクスピアという文字になのか。夏の夜の屋外(テント内だけど)舞台に何か夢を感じたのかもしれない。
果たして酷暑の中、最後まで耐えられるのだろうかという一抹の不安を感じながら開場を待つ。うちわが貸し出されている。冷たい飲み物が売り出されている。
整理券順に会場に入る。
会場はなかなかいい感じ。私は舞台中央の通路(花道なのか?)上の席を確保・・・前にどんな人がくることもないので、安心して鑑賞できる。開演まえの時間は劇団員による「うちわ配布」と「ビール・酎ハイ・お茶」販売がせっせと行われる。こんな感じだとなんか始まりまでの賑やかな感じが楽しい。結局、欧米チックな劇場よりこういう和風の劇場がいいわけだ。

劇団員全員による口上から始まり、舞台設定の意外なことを知らされ驚くままに本編が始まる。
はじまりは「リア王」。舞台は私の知るなかでは、舞台の作りとか、雰囲気はどちらかっていうと「劇団鹿殺し」的な雰囲気を感じた。芝居のテーマ設定とか構成は「劇団新感線」みたいな感じだった・・・なるほど、中島かずきの脚本っていうのは「シェイクスピア」的なものがあるんだということがわかった。
井上ひさしの芝居は道元の冒険しかみたことがないので、なんともよくわからないんだけど、今はやりの芝居とちがって、テンポがちょっとのんびりしている感じがする(ナイロン100℃なんかもそういう意味ではのんびりしているところがあるけど、そこは役者のひっぱりと舞台装置の緻密さで助けられていると思う)。そののんびりは私みたいな最近の芝居好きな人にとってはちょっと辛いものがあった。
前半のネタ仕込みのところでやっと「休憩」既に多くの人が荼毘にふされた。休憩はやっぱり飲み物を売りに。おいらんはべらすタイムもあったり、そこそこに休憩もサービス精神旺盛。
後半には、一気に舞台はしまってくる。ま、たくさん人が死んでしまった後なので当然といえば当然か・・・。
「佐渡の三世次」山本亨がキーマンとなってあちこちでシェイクスピア劇が展開されていく。双子の話ってのがあったかどうかわかんないんだけど、お光とおさちの話が、芝居始まりのばばの予言にあった、「ふたりでひとり、ひとりでふたりの女に惚れてはいけない」というところがうまいこと生きてきた。
鏡を割るシーンが圧巻で、そこから一気に百姓一揆、大乱闘へ・・・。まさか、舞台をああいう壊し方をするとは・・・。舞台の向こうには現実空間が見え、「ええじゃないか」を踊る百姓。新感線の「髑髏城の七人」の舞台挨拶、いや、幕末太陽傳のエンディングか。
私にはそのお光役の李峰仙が有森也実に、山本亨が橋本じゅんに見えてしまっていた。
うちあげはお酒を無料で振る舞われるとか。さすがに新参者は遠慮して帰った。
来年はアングラらしい。花園神社ならそっちが似合いそうだ。
チケットは押さえたい。


7月31日(土) ムロ式.4下北沢駅前劇場
「x、y、z」~muro式・4
ムロツヨシなる人物は、初めて見かけたのは「サマータイムマシンブルース」だった。てっきり「ヨーロッパ企画」の団員だと思っていたが、実はそうではなくて、東京を中心に活動している役者だったみたいで、
最近では小栗旬監督の映画に出ていたり、ウヌボレ刑事に出ていたり、脇役としてそれなりに重要な位置にいる役者みたいだ。
数年前にはシティボーイズライブにゲストで登場していたが、その頃からすると雲泥の差で存在感を見せつけるそんな役者になっている。
そんなムロツヨシのライブが年に1回程度続いている。
今回は
「立場は?」
「何色?」
「誰?」
の3つのオムニバス。
ゲストには、山中崇、中村倫也。

秀逸なのは「誰?」
私は犬や猫をペットとして飼ったことないんだけど、ペットの死ってのはなるほどこういうことになるんだろうなとつくづく・・・。ムロツヨシの脚本というところにも。明日は「東京セレソンDX」で泣かせてもらおうと思っていたが、1日先に「しっかりと」泣かせてもらった。
ムロツヨシの舞台遍歴はよくしらないけど、役者歴15年にしてようやくチケットのソルドアウトを経験したと・・・。なるほど。確かに、今回の4は今までの3をはるかに上回るできだった。
ちなみに、
「立場は?」はテレビショッピングのハプニングからグズグズの展開に。なかなかいい感じ。
「何色?」は、囚人のジレンマの話。色を知るにはやっぱりこれが一番であり、結末はそれなりに予想はついた。


8月1日(日)東京セレソンDX

「くちづけ」

東京セレソンデラックス
というなんともふざけた名前の劇団は、役者はどうやら座長の「宅間孝行」以外は全員いなくなってしまったようだ(過去に「夕」「流れ星」「What a wonderful life!」を劇場でみたことと、DVDとテレビで「歌姫」を見ただけだけど、どれも「新国劇」なみに泣かせてくれる。涙もろい人が席の近くにでもいた日には鼻水すする音で台詞が聞こえないくらいである。

そんなセレソンの「初演」初体験となった。
なんか、賛否両論みたいな声を聴いていたのでかなり心配というか、???という気持ちを持って楽日を心待ちにしていた。

座席はC列・・・前にはヒマラヤ級の巨体が座っている・・・舞台の1/4は見えない。サンモールの宿命か(案の定この人は、開演と同時に頭をもたれていた。たまに起きてはいたが・・・なら休みなさい、家でと言いたかった)。

結論からすると、
しばらくはこの路線はやらないようだけど、
なんとも勿体ない。

テーマを越えた「愛」を感じたし、上手な構成だったと思う。


8月8日(日)ヨーロッパ企画
「サーフィンUSB」

ヨーロッパ企画第29回公演「サーフィンUSB」
http://www.europe-kikaku.com/projects/e29/main.htm

会場に入るなりなんだか不思議な舞台セットに・・・・。
J列の2人はマシンガントーク炸裂。開場から開演まで大声でどうでもいいことをのたまっている。まるでホルンパートで後ろのトランペットに頭に向けてfffされているようなカンジ。
こういう人に限って、舞台が始めると爆睡するんだよなぁと。
せっかくの本多劇場なのに1時間ちょっとの舞台でなんか不完全燃焼。

モノガタリ設定は流石。
展開も流石。
役者の呼吸も絶妙。

何が足りないんだろう・・・。

でも、まだヨーロッパ企画知らない方には是非。

案の定、J列マシンガントークの2人は芝居中に「爆睡」だったそうな。



8月21日(土)
「広島に原爆を落とす日」
実は、私はつかこうへい作品というのを見たことがなかった。
http://hiroshima2010.com/
今回、何かの予感があって、筧利夫主演のこの作品のチケットを買っていた。まさか、追悼公演というような位置づけになるとも思っていなかったんだけど、確かに舞台の随所にそのような感じがあった。

劇団新感線
劇団鹿殺し
の芝居と似ているところは、まじめな話なのに、笑いが随所にあったり、歌って踊って走り回るのがやたら多い。これはつかこうへい作品の特徴なのか、今回の演出がなのか気になって(笑)

ちなみに、
山本亨
という役者を「椿版天保十二年のシェイクスピア」で見た。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1540300374&owner_id=14373
その主役ですごいエネルギーを出していた悪役が、今回もいわゆる悪役で登場していた・・・。その山本亨は軟式テニスボールをバットでノックするシーンがあるのだけど、そのボールは終演後、私の席の下に転がっていた。記念にいただいた。
なにかが私のもとに運んだのだと思う。

終演後に、
舞台挨拶はなかなか洒落ていた。
全員の紹介を踊りながら名前を紹介。
筧利夫の挨拶は劇団新感線を思わせる爽快感が・・・。
(口で霧吹き・・・はなかった)

で、舞台の幕は再び下りて、
舞台の幕が上がったときには、
舞台には1本のスポットライトが舞台中央に・・・。

こりゃ号泣しちゃう。

この演出だけで来た価値があるというものだ。



8月29日(日)
「Three Bells in a ROW」
「スリー・ベルズ」聖夜に起こった3つの不思議な事件
http://www.parco-play.com/web/play/threebells/

作者は恐らく
『MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人』http://www.g2produce.com/parco/msc2008/index.html
これの「パコと魔法の絵本」映画の原作者で有名になった
http://amzn.to/cXKOH0
ケラリーノ・サンロドビッチや松尾スズキより売れていない作家ということらしい。

今回、なにやらたるんだタイトルだなーと思いながらついついチケットを買った。今日は楽日だった。私が久々に訪れたパルコ劇場は満員となっていた。女子の多さに流石パルコ劇場なのか、パコ効果なのか、興味は尽きないままに芝居は始まる。

実は、芝居の始まる前に、会場には「道化2人」があちらこちらに出没していた。旗揚げ10年を超える福岡の大人気劇団「ギンギラ太陽’s」の東京公演のパンフレットに後藤ひろひとが言葉をよせていて・・・これでいいのか?おちう質問に対して「これでいいんです」と答えたというような話があったのを思い出した。ギンギラ太陽では開演前に「西鉄バス軍団」による記念写真大会をやっているが、まさにそのノリ。
前回講演の「the left stuff」もそういえばプロジェクトの参加への署名を促す儀式があった。

3つの物語を3話オムニバスとして上演するのかと思っていたら「休憩はありません」。そりゃ、いまどきの公演で休憩あるのはは「ナイロン100℃」か「劇団新感線」くらいでしょうと思いながら・・・。

後藤ひろひとが登場。
解説によると3話同時並行との・・・。

ともあれ、後藤ひろひと
この男のシナリオは
楽しい。
悲しい。
そして、
心に残る。

下記のような公演予定なようだけど、近くにお住まいの方は是非。
会場は号泣する人もいたけど、確かに、声出して泣きたい気分。
とにかく、「アメ玉」作るのも「舐める」のもとりあえずやめておこうと思う。

PARCO PRODUCE『スリー・ベルズ』~聖夜に起こった3つの不思議な事件~ 10/8/10~10/8/29
PARCO劇場 (東京都)


PARCO PRODUCE『スリー・ベルズ~聖夜に起こった3つの不思議な事件~』 10/8/31
仙台電力ホール (宮城県)


PARCO PRODUCE『スリー・ベルズ』~聖夜に起こった3つの不思議な事件~ 10/9/2
札幌市教育文化会館 (北海道)
当日引換受付・受付期間中

PARCO PRODUCE『スリー・ベルズ~聖夜に起こった3つの不思議な事件~』 10/9/7
名鉄ホール (愛知県)
一般発売・受付期間中
詳細

パルコプロデュース公演『スリー・ベルズ~聖夜に起こった3つの不思議な事件~』 10/9/11~10/9/12
森ノ宮ピロティホール (大阪府)
一般発売・受付期間中



9月5日(日)
「シダの群れ」

滅多に初日の芝居を見ることはないのだけれど、なぜか買っていた。
シアターコクーン・オンレパートリー2010
『シダの群れ』
作・演出:岩松了

江口洋介の芝居は全部みているとか、阿部サダヲ、伊藤蘭目当てとかそういうことではなく、日本のチェーホフとか言われる、テレビでは面白い岩松了の芝居が何なのかを見たかったということであると自分では思っている。

結局、実は、私は初めて「風間杜夫」の生舞台を見たのだけれど、これは確かにすごいかもしれない。楽日に見たら泣けるかもしれない・・・。そんな感じがひしひしと。

もっとも、
今日は昼に日テレでやっていた番組で優木まおみの躊躇ない読みにやられてしまって他のことがあまり頭に残っていない。



9月18日 PPPP
M&O+PPPPプロデュース「窓」
作・演出:倉持 裕
出演:高橋一生、野波麻帆/小林高鹿、ぼくもとさきこ、玉置孝匡、近藤フク、吉川純広、内田亜希子/河原雅彦
東京公演:9月16日(木)〜9月26日(日) 下北沢本多劇場
大阪公演:9月29日(水) シアター・ドラマシティ
問い合わせ→森崎事務所 03-5475-3436
http://www.morisk.com/plays/window/index.html

贖罪の罪(http://www.penguinppp.com/next/15/)以来ってことで大体半年ぶり。
高橋一生、野波麻帆はとってもよかった・・・。高橋一生は「ガス人間第1号」でなんともはかないその役にぐっときた。
野波麻帆もあんなに嫌な女の役であるんだけど、とても好感が持てて。基本的にお金払って芝居を観に来ているので「嫌な思い」はさせないでほしい。気持ちよくしてほしいというのが私の一番の芝居に対する要望である。
河原雅彦は「役」だからなんだけど、舞台の嫌な感じを一手に引き受けようということなのか・・・。

倉持裕の芝居って・だんだん少しずつ狂気が頭をもたげて、舞台全体をその狂気が占めているというのが特徴な気がしたけど、今回はそんな感じもしなく、映画「ガープの世界」「スタンド・バイ・ミー」「ジャージな二人」あと、なんだろう・・・。こんな映画があったんだけど思い出せない。+沢尻えりか。そんな感じのものだった。
気のせいなのか、プログラムにも対談があったからなにかあるんだろう。ナイロン100℃というか、ケラリーノサンドロビッチ的な作りが・・・もっとPPPPらしくの方がいいのに勿体ない気がする。

なんでも、今回から1年半、劇団はお休みするとのこと。
じっくり充電して再び充実した芝居をひっさげて帰ってきて欲しい。


10月10日 劇団☆新感線
「鋼鉄番長」

http://www.ko-tetsu.jp/

劇団☆新感線の井上歌舞伎ではないものを見るのは・・・そっか、犬顔家の人々と、リチャードIII世とか見ているので、そんなに意外なものではない。思えば古田新太が主役級ではないものはあまり見に行ったことはない。今回は、橋本じゅんが主役で、30周年記念の超豪華プログラムがあって、サンシャイン劇場で。羽野晶紀が声だけ出演とか、やっぱり坂井真紀はいいなぁとか、3時間たっぷりやってくれるのはありがたいような、長いような。そして、開演前・終演後にいのうえひでのりがロビーに立っているのがなんとも。
そりゃ、楽しいお芝居でようござんしたといいたかったんだけど、そう、言いたかったことは、大きい劇場の芝居しかできないんじゃないの?とか、役者の集客に頼りすぎじゃないの?みたいな悪口でもいいたくなるような。そんな疑念を払拭しれくれるチラシが入っていた。
座・高円寺「断食」楽しみだ。

PS.
橋本じゅんが腰痛で降板
池田成志がアキレス腱断裂
公演2週間あまりで異常事態に、、、。

橋本じゅんの代役として三宅弘城が、池田成志の代役に河野まさとが、なかなかそれはそれで魅力的だ。
2回見に行くような芝居じゃないけど、これは魅力的だ。


10月17日 シティボーイズミックス

「10月突然大豆のごとく」
毎年ゴールデンウィークに楽しみにしていたシティボーイズライブが秋に引っ越しとなった。5月にはフィルムノワールと称して映画上映会となっていたが、何か事情があってのことでそれはそれで、楽しみが増えたということで納得して待ち望んでいた。
今回はなんかずいぶんあっさりしたものとなっていた上に、
いままでシティボーイズライブをみるのはもっぱら中日・楽日近辺だったりするので、それなりに芝居として成り立つような慣れがあった。初日ってことだからか、ゲストの「ザ・ギース」「ラバーガール」「中村有志」はさすがなんだけど、きたろう、大竹まこと、斉木しげるはやっぱり、歳とったのか、役者としての志が落ちたのか、コメディアンとして枯れてしまったのか。
ちょっとあっさりした感じで帰ることとなった。

10月23日 日生劇場
「カエサル」
なんの因果か買ってしまったこの芝居。
初めての日生劇場。いつか入ってみたいと思っていたガウディチックなくねくねな内装タイル貼りにちょっとうれしくなった。
http://play-caesar.jp/

塩野七生の本ってのは気になりながら読むことはなかった。

実はあまり期待していなかったのだけど、
かなり良かった。ローマの歴史もそんなに知らないいけど、共和制と帝政、そしてルビコン川を渡る、賽は投げられた。
ブルータスおまえもかはなかったけど。

現代の諸問題を考える上でとてもいい芝居だった。
27日まで。お時間有る方は是非オススメしたい。

松本幸四郎はやっぱり歌舞伎だなぁと思ったし、
渡辺いっけいはやっぱり藝達者だだなぁと感心。
高橋恵子は大女優としての迫力満杯。
小島聖はまさに適役。
そして
水野美紀の道化役は・・・。
プロペラ犬第1回公演の「めがね」もしくは、男子小学生役のクレヨンしんちゃん喋りなところがどうかとは思ったけど、いい役もらってよかったよかった。


11月には珍しく観劇の予定がないと思ったが、さいごにやっぱり見に行った


11月29日 自由学園明日館講堂
「HIROSHIMA-HAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会/マレビトの会」

自由学園「明日館」講堂で行われたマレビトの会による「展覧会形式による演劇というなんとも魅力満載感の高いものをたまたま見つけて行った。

会場まではそりゃ池袋の西口というか、椎名町の手前というか、そんな中を進。私は目白から行った。

開場は12時から、入り口では簡単に内容の説明がある。どうやら、#1~#12までのモニターがあってその前でパフォーマンスが行われるということのようだった。見るのは自由、帰るのも自由、再入場も可。実際、入場可能な時間は2時とか3時とかそんな感じであった。

開場はなんともいい感じの講堂。これはまたこれだけで雰囲気を満喫できる。
しばらくすると
春美「48時間と20分」の一人芝居が始まった。開場には役者らしい人が混ざっていて、始めは気がつかなかった。
川面「広島について考える会」強烈に印象が残ったのは、声がでかい、体格もでかいということもあるけど、質問1・・・みたいな感じで漫談調に進むその様は心地よかった。
恵子「HIROSHIMA GIRL」大きいザックをしょって会場をうろちょろしちていたが、ザックからいろいろなものを出して、出たり入ったりしているうちにすごいことになってしまった。
島「広島と七つの川」川で採取した水を飲んで川と同化する・・・海パン姿になって・・・。
てな感じのものが合計12あって、私は2時間ほど滞在していたので、一通りのものは鑑賞することができたんだと思う。

ここで演劇が「舞台」という最強の表現形式を持っているのに「展覧会形式」というものをとったのか。
展覧会とは何かを考え今回の意図を考えることで、その効果・意義が見えてくるように思える。
展覧会:会場に「訴求したいモノ」を展示する。メッセージの多くはモノ(彫刻・絵画・歴史的収蔵品)が強烈に発している。多くの場合にはその展示物横に作品のタイトル・解説などが付けられている。場合によってはガイドのレシーバーと番号を一致させることで解説が聞ける。
展覧会の場合、昨今のインタラクティブアート作品などは鑑賞できる人数を選ぶという問題もあり、結局順番待ちをしてしまうという展覧会本来の「見たい時間だけ見る」ということができない場合がある
(佐藤雅彦の展覧会が絶賛されているが、私としては、今更このような展示はないのではないかと私が感じた理由がそこにある。つまり舞台で擬似的に鑑賞者全員に体験してもらえば同時に800人とか1000人とか体験する方法もあるわけである)。もう少し展覧会の構造について分析、研究をし、いいところを採り入れるという作業を考えていただけば良かったのかと思うのだが(失礼な言い方になるが、展覧会はもっと個々の作品を見せる努力をしている)。

つまり、ここで展覧会形式といった展示をしているが、12のエピソード全部はせっかくだから見たいがそのためには歩き回らないといけない。歩き回るのはそれはそれでいいのだけれど、2時間歩き回るのは案外疲れる。パフォーマーの始まりを終わりが曖昧だったり、始まるまでの「間」もなんか辛い。

空間そのものが演劇である。
という試み、行われたものも興味深いものではあったのだけど、
昔、トッド・マコーバーがブレインオペラというものを恵比寿ガーデンプレイスで行った展示付きパフォーマンス(アトランタオリンピックで大々的にやられたと記憶している)は、展示と歌劇の要素を複合して演じてくれた記憶がある。
ダムタイプのVoyageでは、メンバー全員で合宿を行ってパフォーマンスを作り上げて日々発展のあるものを演じ続けているということで、見たときは実はかなりびっくりしてしまったのだけど、
浅田彰「それが良いか悪いかは別にして最後にカタルシス感がないと観客は満足しない。最後にそういう盛り上がりをやっぱり入れた方が良かったのではないか?」
ダムタイプ「いや、それはわかっていたけどそれはやりたくなかった。もっとブーイング来ると思ったけど思ったより評価高くて安心した」
というやりとりを思い出した。

今回のパフォーマンスはそういった要素を覚悟の上でやったのだろうと思うけど、やっぱり「終わった」と安心して帰りたい観客がここにいる。ってことと、同じ時間を共有して、同じ作品を見たという安心感を持ちたい。
ってことに尽きる。

もし、これが、都市(街中)のハプニングとして行われているのなら諦めがあるのだけれど・・・。
実は、空間が強すぎて、あまりパフォーマーの台詞は心に残らなかった(いえ、普段はもっと台詞も聞いていて、終わってから台詞をそらんじるくらい聞いていると思うのですが)。
で、結局、心に残るのは
児玉「広島日記」「ハプチョン日記」の役者さんだけな感じ。

また是非、再挑戦していただきたい。もちろん、次回も行くつもりだ。

12月4日 シアターコクーン
「黴菌」

黴菌のバイを書くのは難しい。悩と脳は似て非なる字である。でも読み分けられないと恥ずかしい。
今年の1月に「東京月光魔曲」を見て、今年一番の芝居になるかも・・・と思ったが、その東京レトロシリーズ3部作第二弾「黴菌」が登場した。 ことし見た芝居のなかでやっぱり絶品である。ある意味月光魔曲を超え、ある意味月光魔曲のような綺麗さがない。4部構成となっていて全編で3時間半にわたる長編である。始まりからケラワールド全開である。初日だからなのか、ちょっと結末の受け取り方に悩む。

山崎一
両方に出ているのは山崎一と犬山イヌ子で、確かにこの人山崎一はすごい・・・。なんというか、安心感がある。圧巻は「宇宙大戦争」の下り・・・宇宙犬戦争ではない。脳病院の院長っていうと「楡家の人々」を思い出してしまうけど。やっぱりそうみたいだ。楡家の人々は私小説(じゃないだろうけど)として最高の小説だと今も思っている。

中村トオル
一方で芝居を不安な方に持って行く天才ってのがいて、今回はその人が出ていないのがとても残念だった。もっとも、その残念を上回る発見があって、「でかい」ことを持ち味として、大倉孝二が憑依したかのような見事な「破」をやってくれた。やっちまったぁ。的な。いい。

生瀬勝久
長いことあまり好きではない役者だったんだけど「冬の絵空」見ていろいろ考えが変わった。いや、役者バカ、といか、やりまくり三助なるほど。そんなやっぱり存在感があってすごいなぁと思いながら、今回は主役を持って行くことはできず、あくまで3兄弟の一人だったわけで。

高橋惠子
この人の芝居は、実は2回目で「カエサル」が終わってこれだけの期間で次のこれやってしまうってのはすごい。しかもその存在感もすごい。

ともさかりえ
現代版女油地獄「ネジと紙幣」とかあれこれ結構な数見ているが、今回、なんか、初めて「いい女」に思えた。もっとも、座席は中二階席の18番だから、そういうことであろう。緒川たまきと比べて細い、小さいって感じがなんかいい感じで、酔うとめちゃくちゃになるってあたりがいい。

緒川たまき
多分、見るのは「どん底」「2番目或いは3番目」以来。やっぱりああいう少し狂った感じの役をやらせたら日本で二番目くらいの実力を持っている。体格もそれなりにでかいので存在感もちゃんとある。

で、今、気がついた。
普通、楽日あたりにいくんだけど、初日だったんだ。
なるほど・・・。
初日ってのは舞台慣れしていないお客が多いのか、ポリ袋バリバリ攻撃、携帯の明かり漏れまくりなど、細かいことは気にしない。物販はやっぱりナイロンかビニールの袋に入れて欲しいと思った。

で、今回の舞台の主役は・・・
あれ?いない?

みのすけ
一人3役・・・。カーテンコールで楽しそうな顔をしていたのが印象的。

犬山イヌ子
この人は私レベルではよくわからない女優だと思う。

岡田義徳
ここんとこ、カッコーの巣の上でとか、いわゆる精神外科とかロボトミーとかあれこれ見ていたので、この役はとても怖かった。あまり、怖いということを書いたり言ったりするのは嫌なんだけど。

池谷のぶえ
大事な女優だと思う。

小松和重
見事な役回りだった。うぬぼれ刑事に出ていた人だってのは、プログラムで気がついた。

北村一輝
まさに、本当のことを言っているのがウソっぽく見える人。
これに尽きる。

舞台の雨・雪がとてもいい。ライティングがやっぱりすごい。
ちなみに、7時始まりで終わりは10時半。要注意である。
ちなみに、退屈する時間は多分ない。

エンディングは、見事というか、謎というか、未完成なのか、完成形を崩してああなったのか。3兄弟をとりまく話が全部まとまるわけではなく、3男の話が解決するが、会場からは笑い声が、舞台では号泣する3人。あの終わり方はちょっと歴史に残るかもしれない。そして、第3部での停電のシーンも圧巻で、あの照明の絶品具合はすごい。
脳病院を巡る話ってのは、文字の残すのは難しい。言いたいこと、書きたいことはたくさんあるんだけど。自粛してしまう。

12月11日 赤坂ACTシアター
「ジャンヌダルク」

やっぱり赤坂ACTシアターは好きになれない。大きい芝居っていうともっぱらここになってしまうけど、1階席は買えたためしはない。2階席は舞台が本当によくみえない。2F・F列だったのだけど、D席のお兄ちゃんのツンツン頭は舞台半ばまで覆い隠す(前のめりになるなって言うのも効果ない・・・)。帽子かぶって観劇する不思議な人たち、あまりに急な傾斜(高所恐怖症の私には正直つらい)。やっぱり入り口の位置が変だと思う。
そんな中、
中島かずき脚本は見事。
観客への配慮が足りない舞台美術も、いい効果を出していたと思う(でも、見る人にはやさしくない。張り出しの位置、舞台奥の映像は2Fにはなんのこっちゃ?って感じなのである)。
一方、たくさんのエキストラでシーンをうまく組み立てていた。
戦闘シーンはやっぱり、新感線と比べちゃいけないんだろうけど。白井晃といのうえひでのりの差はある。
で、1番のびっくりは、「堀北真希」
休憩20分の190分の上演時間、堀北真希はほぼでずっぱり。
3回くらい涙がこみあげた。
カーテンコールは・・・
あれだけの人が出てくると爽快。
再度出てきたときには・・・
全員が舞台からハねて、彼女一人中央で挨拶。
舞台後方に消えて・・・もう一回挨拶して消えてほしかった。
ともあれ、大満足の舞台だった。

開演前に会場に音楽がないのもいい。

是非、堀北真希には、次回、赤坂REDシアターでお願いしたい。


12月12日 サンモールスタジオ
「国道五十八号戦線異状ナシ」

初めて見る公演が「解散公演」というなんとも残念な状態。
実は、8月にシアターサンモールに「セレソンDX」の公演に行った時にサンモールスタジオで同じ時間にやっていて・・・残念ながら縁がなかった。

で、今日見てびっくりしたのは、
良い感じのスタジオで箱についてはそこそこ満足。
芝居もやっぱり100人くらいの場所でやるものはそれなりの満足感に浸れるのはある意味当然なんでしょう。
舞台には国道58号戦線の方は2人だけ。
解散公演でそんな状態だとやっぱり仕方ないんでしょうね。早く解散してそれぞれの道を歩まれるのがいいのかもしれない・・・と、そっか、セレソンもそんな感じでも維持しているわけで、別に役者が劇団のすべてではないわけで・・・といいつつ、脚本家が続かないのなら、やっぱり続けるのは難しいのでしょう。

今回の芝居は、再演ということでしたが、
なるほど、今ちょうどいい芝居なのかもしれない。
2008年に初演、そのときはどんなんだったのか、興味が尽きない。
芝居そのものは、革命日記(青年団)を思い起こさせる作りだったけど、オチは少々異なり、ダーッて終わってホッとした。

ハマカワフミエ
に興味があって行ったんだけど、結構他の役者も存在感がしっかりしていて、意外な収穫があった。


12月25日 スズナリ
「イメチェン~服従するは我にあり」

はるさんが見たってのが気になって気がついたらチケットを買っていた。
http://www.nekohote.com/top.html

6年ほど前に思うことがあって、犬好きから猫好きに転向した私だが、この猫のホテルは見る機会がなかった。っていうか、その団員である池田鉄洋テレ朝の画期的テレビドラマ「下北サンデーズ」で上戸彩のマネージャー役をやっていたのを見てなんかその存在感がとても気になっていた。

なるほど、演劇界ってのは難しいもんだなとつくづく感じた。
本当はこの猫のホテルなんかは、スズナリでやっていないで、本多劇場で「安倍総理」なんかを吹っ飛ばしてやっていなきゃいけないんだろうに、スズナリでやることがその演劇界の難しさを感じた。

再演らしいんだけど、
政治ネタっていうのなら、演劇界としては、労働価値説をベースにしたイデオロギーをもっと前面に出して欲しいし、今更田中角栄ネタをベースにってのはちょっと辛い感じがする。
芝居でなるほどなぁ、って思うのが、別に登場人物を殺す必要はないでしょう。という説があって、はるさんがそういうのを「そこまで言わなくても」とずっと思っていたが、今回、なんとなくその思いはわかった。

で、結論からすると、この大きさでやる芝居ってのは必見だ。


12月26日 東京国際フォーラム
「アベニューQ」
人形劇ミュージカルを東京国際フォーラムに見に行った。
セサミストリートとは全く関係ないという、なんでもブロードウェイで評判だった人形劇だそうで、下ネタも満載のホロリと涙がでるようなそんな芝居。
会場には、年に2回はブロードウェイミュージカル見にNYCに行っていますって感じのOLや、なんともいえない感じの男性カップルなんかもいてなかなかな感じ。
これはこれで楽しい芝居ということで。
妻は満足だったようでなにより。


12月30日 シアターモリエール
「ごきげんパラダイス」

作・演出・出演:宅間孝行
今年ラストの芝居は東京セレソンDX10周年記念イヤースペシャル第三弾
「宅間孝行のごきげんパラダイス」
シアターモリエール
明日が楽日というなんともせわしない舞台。一人舞台だった。
企画・制作:(株)オフィスセレソン
なるほど、劇団が株式会社化していたってことを今知った。
こんな年末の昼公演に、会場は一杯、あふれるほどの客で一杯になっていた。
この劇場は、ムロ式で来て以来。
なんでも東京セレソンDXとして、作・演出・出演:「オレ」ってなったのがこの劇場かららしい。

この10年の歴史を知るあれこれ小ネタのきいた一人舞台だった。
私は東京セレソンを知ったのは「鹿男」に出ている謎の体躯教師を見て、「歌姫」の原作者が同じだってことをはるさんに教えてもらってびっくりしたのがきっかけだったと記憶している。
で、DVDで歌姫借りたのが先か、「夕」再演を見たのが先か、もう、そりゃ号泣しそうになるそんな芝居が続いた。
同級生の「同窓会」ってなんか痛い映画があったり、
うつみ宮土理主演の「流れ星」再演もまた、号泣ものだった。
「What a wonderful life」も泣けた、
「くちづけ」も泣けた、でも、なるほどなぁ、泣かせるためにかなり無理したんだなぁということが今回の一人舞台で分かった。

オープニングトークがあって、
コントが4つばかり、途中に、
ゲストにうつみ美土里が来て、
全編、なんだかんだいって、ちゃんと話がつながって、
無事終わった。
「心折れなかった10年の理由(ひみつ)」ってのがそこそこわかって、
これからの5年くらいの展開もわかって、
世に出て行ける感じになった「役者」としての門出もできそうで、
100年に一人の天才っていう「自画絶賛」で終わるあたりも、なかなか心地良いということにしておこうと思った。

10年の回顧と来年の予告ってことで終わった2時間。
たしかに、まさに、テレビの「予告編」を見ている。
本編は来年を待て!!
ってことで待ちましょう。


2010年は36本の芝居を見た。
思い返して見ると

・パワー・オブ・ザ・イエス
・花園神社のシェイクスピア
・国道58号戦線
・カエサル
・ジャンヌダルク
・くちづけ
・後藤ひろひと
・黴菌

あたりが印象に残っている。結局、再演は再演でいいんだけど、(私にとって)新しいものを見せてくれることに感謝ってことなんだろう。


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© TATSUO OWADA 2011